退去費用75万円請求、本当にあり得るのか？

Xに衝撃的な投稿がありました。それは部屋を退去する際に支払う「退去費用」。こちらが75万円だったということです。

単刀直入に言いますと、退去費用75万円は、普通にあり得ます。
ただし、高額ではあることには間違いありませんし、条件はいくつかございます。

そもそも、通常退去費用は入居時に支払うのが一般的です。相場としてはだいたい家賃1ヶ月分。それがない場合はよくあるケースといて「敷金」もしくは「クリーニング費用」などという名目で請求されています。

また、借主が意図的に「退去後に支払う」という意思を示せば、退去後に支払うことが可能になります。

さて、今回話題となっておりました、こちらのケースはその退去費用が75万円だったということです。

そもそも退去費用とは何か

賃貸の退去費用とは、賃借人（借主）が部屋を退去する際に、原状回復などの名目で大家（貸主）または管理会社に支払う費用のことです。

誰が負担すべきかについては状況によって変わります。

経年劣化や通常使用による損耗の場合は貸主。借主の故意・過失・不注意の場合は借主となります。
壁の穴、飲み物こぼし、落書きなどは特約によって借主の負担となります。

また本件（原状回復や特約）については、原則として重要事項説明書に記載されます。

ですので、説明をしていないことはなく、仮に説明や重要事項説明書がないとなれば、宅建業者の重大な過失となり、営業できないレベルとなります。ですので必ず説明をします。

75万円などありえるのか？

Xの投稿によれば、天井やトイレのビニールクロスに加え、「ユニットバス」そのものまで交換されています。

これらの情報から察するに、通常の原状回復では到底説明できないほどの損傷があり、かなりの破損や劣化、あるいは特殊な事情があった可能性が高いと考えられます。

一般的な例として考えられる内訳：

• 壁紙クロス（全面張替＋下地補修）：15万〜20万円
• 床（CF・フローリングなど）張替：10万〜15万円
• ユニットバス交換（解体・搬入・設置・復旧）：30万〜40万円
• 清掃・処分・諸経費：5万〜10万円
• その他（鍵交換、エアコン清掃など）：数万円

→ 合計：約75万円

これは「敷金」や「クリーニング費用」では到底賄いきれない金額であり、何らかの“異常事態”が発生していたと推測されます。

おそらく貸主側は、この異常な状態を借主に正確に伝えるため、そして故意・過失による損害と判断した上で、今回の請求に踏み切ったのでしょう。

退去費用が「高いか安いか」以前に、まず「何が起きたのか」を正確に把握することが重要です。
通常であれば、退去時の費用は敷金やクリーニング代で十分まかなえるのが一般的です。

しかし、それを大幅に超えるような破損や異常な使用状況があった場合には、今回のような高額請求が発生する可能性もある、ということを重々認識しておく必要があります。